個展やグループ展の準備では、どの作品をどの壁に、どのくらいの高さや間隔で並べるかを決める必要があります。搬入してから考え始めると、作品を掛け直したり、全体のバランスを確認する時間が足りなくなったりすることがあります。
あらかじめ壁面と作品のサイズを整理し、配置案をいくつか作っておくと、会場での判断がしやすくなります。
展示レイアウトを決める前に確認すること
最初に、展示に使える場所と条件を確認します。壁面の幅や高さだけでなく、会場内での位置関係もメモしておくと、あとで配置案を比較しやすくなります。
- 使用できる壁面の幅と高さ
- 壁面ごとの位置関係
- 出入口・柱・窓などの位置
- 照明の位置や向き
- 入口から最初に見える壁や、会場内を移動する方向
- ピクチャーレールなどの展示条件
- 展示する作品の外寸(額装する場合は額を含む)
- 作品キャプションを設置する場合の位置やスペース
作品そのもののサイズだけでなく、実際に壁面を占有する外寸で考えると配置を検討しやすくなります。入口から最初に見える位置や、会場内を移動するときの見え方も確認しておくと、どの壁にどの作品を置くか考えやすくなります。
作品の横や下にキャプションを設置する場合は、そのための余白も含めて考えておくと、搬入時に配置を調整しやすくなります。会場ごとに展示方法や使用できる範囲が異なるため、最終的には会場の規定や担当者の案内を確認してください。
まず展示する作品を一覧にする
次に、今回展示する可能性がある作品を一覧にします。最初から壁面上の位置を決めるより、作品の情報を並べて全体を見渡すほうが、組み合わせを考えやすくなります。
- 作品名または仮タイトル
- 幅と高さ、縦長・横長の向き
- シリーズやテーマ
- 額装後の外寸
- メインとして見せたい作品はどれか
まだ出品を決めきれていない作品も候補として含めておくと、壁面に合わせて作品数を調整できます。画像やメモを一緒に見られる状態にしておくと、サイズだけでは分からない印象も比較できます。
作品を飾る高さを考える
作品の中心位置を基準に考える
高さを考えるときは、作品の上端だけではなく、作品の中心が壁面のどの位置に来るかを見ると比較しやすくなります。作品の大きさが違う場合も、中心位置を仮にそろえてみることで、並べたときの関係を確認できます。
作品の中心を目線の高さ付近に置くと、自然な姿勢で鑑賞しやすくなります。ただし、鑑賞者の目線の高さには幅があります。背の低い人や座った状態で見る人も想定し、少し低めの位置も含めて比較すると、より幅広い鑑賞者から見やすい配置を検討できます。
作品サイズや展示意図に合わせて調整する
大きな作品を基準にする場合、小作品をどの高さに置くか、上下2段にするか、連作を同じ高さでつなぐかによって見え方は変わります。会場の壁面、作品サイズ、鑑賞者、展示意図によって適した位置は異なるため、中心位置は一つの目安として調整してください。
作品同士の間隔を決める
同じシリーズの作品はまとまりとして見られるようにするのか、作品ごとの独立性を見せるのかによって、必要な余白の考え方が変わります。作品サイズが違えば、同じ間隔でも広く見えたり詰まって見えたりします。
- 同じシリーズをひとまとまりとして見る
- 作品サイズの違いによる印象を確認する
- 作品間だけでなく壁面端の余白も見る
- 1案だけでなく複数案を比較する
適切な間隔は作品と壁面によって変わるため、数字だけで決めず、壁面全体の余白を見ながら比較することが大切です。
500cmの壁面に3作品を配置してみる
ここでは、幅500cm・高さ180cmの壁面に、横長・縦長・正方形の3作品を配置した例を見てみます。作品サイズだけでなく、壁端の余白や作品同士の間隔まで含めて考えると、壁面全体のバランスを確認しやすくなります。

同じ3作品でも配置を変えると印象が変わる
同じ作品でも、並び順や作品同士の間隔、どの位置を基準にそろえるかによって、壁面全体の印象は変わります。ここでは同じ3作品を使った2つの配置案を比較します。
配置案A:等間隔を意識した安定した配置

左右の余白と作品間隔をそろえると、作品サイズが異なる場合でも全体を落ち着いて見せやすくなります。まず配置案を作るときの基準として考えやすい方法です。
配置案B:中央作品を軸にしたリズムのある配置

中央に縦長作品を置き、左右の作品サイズや間隔に変化をつけると、同じ3作品でもA案とは異なる印象になります。どちらが正解ということではなく、複数の案を比べながら展示意図に合う配置を探すことが大切です。
大小の作品をどう組み合わせるか
大小の作品を一緒に展示する場合は、作品単体の見栄えだけでなく、壁面に置いたときの重量感や視線の流れも確認します。大きな作品を基準点として配置案を作ると、残りの作品を検討しやすくなる場合があります。
- 大きな作品を基準に配置してみる
- 同じシリーズを近くにまとめる
- 同サイズの作品を連続させる
- 作品間だけでなく壁面全体の空白を見る
- 左右の重量感を見比べる
入口からの見え方と鑑賞の流れを確認する
平面図だけでは、入室したときの見え方や壁面を移動するときのつながりまでは分かりにくいことがあります。入口から最初に目に入る壁をどこにするか、メイン作品をどこで見せるかを考え、鑑賞の流れをいくつか想像してみます。
- 入室時に最初に目に入る壁
- メイン作品の位置
- シリーズを見る順序
- 壁面をまたぐときのつながり
- 出入口付近の混雑
搬入前に配置案を作っておく
壁面サイズと作品サイズが分かれば、搬入前でも大まかな配置案を作れます。紙に縮尺を合わせて描く方法、方眼紙、デザインソフト、Web上のレイアウトツールなど、手元で扱いやすい方法を選べます。
方法そのものより、「壁面と作品を同じ尺度で比較できること」と「複数案を残して比較できること」が重要です。配置を変えたときに、余白や作品の組み合わせがどう変わるかを見比べられるようにしておきましょう。
配置案が決まってきたら、どの壁から設置するか、大きな作品をどの順番で運び込むかも簡単に考えておくと、当日の作業を進めやすくなります。特に会場内の通路が限られる場合は、作品の仮置き場所や作業スペースも確認しておくと安心です。
Atelier Boardで展示前に配置を試す
Atelier Boardでは、作品画像やサイズを登録し、展示ごとにプロジェクトを作成できます。壁面サイズを設定して作品を配置し、実寸を意識したビューや俯瞰ビューで展示案を確認できます。
搬入前に複数の配置を試したい場合や、作品情報と展示計画を一緒に整理したい場合に利用できます。
Atelier Boardについて詳しく見る展示前に壁面と作品のサイズを整理しておこう
展示レイアウトを考えるときは、次の3点から始めると整理しやすくなります。
- 壁面サイズと展示条件を確認する
- 作品サイズと余白を同じ尺度で考える
- 搬入前に複数の配置案を比較する
展示レイアウトには一つの正解があるわけではありません。作品と壁面の条件を整理し、いくつかの配置案を比較しておくことで、会場でより落ち着いて展示を組み立てやすくなります。
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